「人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2023)」■
1.シンポジウム名
人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2023)
2.開催の趣旨
オープンサイエンスの進展とともに、その基盤となる研究データのインフラスト
ラクチャー(インフラ)構築が着々と進められている。研究データインフラに求
められるのは、研究成果の検証可能性を担保する機能だけでなく、そのデータを
元にしたさらなる発展的な研究の展開や社会へのアウトリーチなど、様々なもの
が考えられる。それを実現していくためには、構築・運用のしやすい簡潔なメタ
データ構造とともに、必要に応じて専門知につながる深い情報という、相反する
要素が求められることになる。デジタル時代の研究資料たるデータに様々な文脈
から多様な専門知が埋め込まれる人文学においては、この課題はより切実なもの
として現前しつつある。すでに海外では、欧州におけるDARIAH(Digital
Research Infrastructure for the Arts and Humanities)やCLARIN(Common
Language Resources and Technology Infrastructure)等の人文学向けデジタル
インフラや、さらにそれを社会科学と統合したSSHOC(Social Sciences and
Humanities for the European Open Science Cloud)に見られるように、着々と
整備が進められ、大きな広がりを見せている。そして、それを支える枠組みとし
て、TEI(Text Encoding Initiative)ガイドラインに準拠したテキストデータ
の構造化やIIIF (International Image Interoperability Framework)によるア
ノテーションなどの国際標準的なルールが整備され、一方で、TaDIRAH(The
Taxonomy of Digital Research Activities in the Humanities)による研究活
動の語彙設計など、草の根的な活動も貢献する形となっている。
日本でも、日本学術振興会においては人文学・社会科学データインフラストラ
クチャー強化事業が推進され、人間文化研究機構からはnihuBridgeが公開される
など、人文学におけるデータインフラは徐々に基礎が固められつつある。こうし
た動向はどちらかと言えば横断性を重視したものとして広く様々な関心から人文
学の研究データに関心を持ってもらい、それを通じて社会に貢献していくことが
期待される。一方で、個々のデータを適切に活用するためには、データが作成さ
れたコンテクストやそこに含まれる意味のある情報を適切かつ簡潔に利用者に伝
えることが課題となる。技術的には、上述のIIIFやTEI等、国際的な枠組みに基
づく取組みが国内でも広がりつつあり、TaDIRAHの日本語版も公開されている。
しかしながら、こうした動向は、人文学の様々な分野における方法論の多様さを
踏まえるなら、まだ端緒についたばかりである。今後、より多くの分野・方法論
に対応できるようなデータの構築方法や、一方で、より効果的な横断的データ探
索の手法、そして、そこに対応可能な成果の提示の仕方など、課題は山積してい
る。すなわち、デジタル時代を踏まえた人文学の成果を共有するための適切な枠
組みの構築とその普及は喫緊のテーマとなっている。この状況を踏まえ、本シン
ポジウムでは、「人文学のためのデータインフラストラクチャー構築に向けて」
というテーマを設定したい。国内外の様々な研究活動を広く横断しつつ深く提示
する研究を踏まえ、国際的にも広く展開できる基礎の構築につなげ、これをもっ
て国内でのプレゼンス向上にも寄与できる大会としたい。
3.テーマ:人文学のためのデータインフラストラクチャー構築に向けて
4.日程:2023年12月9日(土)~12月10日(日)
5.会場:オンライン開催 (拠点)一般財団法人人文情報学研究所
6.主催:情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会(IPSJ SIG-CH)
7.予想参加人数:150名
8.実行委員会
委員長:下田正弘(武蔵野大学)
委員:小川潤(人文学オープンデータ共同利用センター/東京大学)、永崎研宣
(一般財団法人人文情報学研究所)、橋本雄太(国立歴史民俗博物館)
9.プログラム委員会
委員長:土山玄(お茶の水女子大学)
委員:大向一輝(東京大学)、亀田尭宙(国立歴史民俗博物館)、耒代誠仁(桜
美林大学)、北本朝展(国立情報学研究所)、小風尚樹(千葉大学)、鹿内菜穂
(亜細亜大学)、堤智昭(筑波大学)、吉賀夏子(大阪大学)、李媛(関西大学)
10.主な開催内容
口頭発表、インタラクティブセッション、招待講演、企画セッション(予定)
参考:研究会ホームページ: http://www.jinmoncom.jp/
シンポジウムホームページ: http://jinmoncom.jp/sympo2023/
※日本アーカイブズ学会会員の参加費は情報処理学会会員と同額になります。
出典:日本アーカイブズ学会からのお知らせ(2023年10月13日号)
(小林)
1.シンポジウム名
人文科学とコンピュータシンポジウム(じんもんこん2023)
2.開催の趣旨
オープンサイエンスの進展とともに、その基盤となる研究データのインフラスト
ラクチャー(インフラ)構築が着々と進められている。研究データインフラに求
められるのは、研究成果の検証可能性を担保する機能だけでなく、そのデータを
元にしたさらなる発展的な研究の展開や社会へのアウトリーチなど、様々なもの
が考えられる。それを実現していくためには、構築・運用のしやすい簡潔なメタ
データ構造とともに、必要に応じて専門知につながる深い情報という、相反する
要素が求められることになる。デジタル時代の研究資料たるデータに様々な文脈
から多様な専門知が埋め込まれる人文学においては、この課題はより切実なもの
として現前しつつある。すでに海外では、欧州におけるDARIAH(Digital
Research Infrastructure for the Arts and Humanities)やCLARIN(Common
Language Resources and Technology Infrastructure)等の人文学向けデジタル
インフラや、さらにそれを社会科学と統合したSSHOC(Social Sciences and
Humanities for the European Open Science Cloud)に見られるように、着々と
整備が進められ、大きな広がりを見せている。そして、それを支える枠組みとし
て、TEI(Text Encoding Initiative)ガイドラインに準拠したテキストデータ
の構造化やIIIF (International Image Interoperability Framework)によるア
ノテーションなどの国際標準的なルールが整備され、一方で、TaDIRAH(The
Taxonomy of Digital Research Activities in the Humanities)による研究活
動の語彙設計など、草の根的な活動も貢献する形となっている。
日本でも、日本学術振興会においては人文学・社会科学データインフラストラ
クチャー強化事業が推進され、人間文化研究機構からはnihuBridgeが公開される
など、人文学におけるデータインフラは徐々に基礎が固められつつある。こうし
た動向はどちらかと言えば横断性を重視したものとして広く様々な関心から人文
学の研究データに関心を持ってもらい、それを通じて社会に貢献していくことが
期待される。一方で、個々のデータを適切に活用するためには、データが作成さ
れたコンテクストやそこに含まれる意味のある情報を適切かつ簡潔に利用者に伝
えることが課題となる。技術的には、上述のIIIFやTEI等、国際的な枠組みに基
づく取組みが国内でも広がりつつあり、TaDIRAHの日本語版も公開されている。
しかしながら、こうした動向は、人文学の様々な分野における方法論の多様さを
踏まえるなら、まだ端緒についたばかりである。今後、より多くの分野・方法論
に対応できるようなデータの構築方法や、一方で、より効果的な横断的データ探
索の手法、そして、そこに対応可能な成果の提示の仕方など、課題は山積してい
る。すなわち、デジタル時代を踏まえた人文学の成果を共有するための適切な枠
組みの構築とその普及は喫緊のテーマとなっている。この状況を踏まえ、本シン
ポジウムでは、「人文学のためのデータインフラストラクチャー構築に向けて」
というテーマを設定したい。国内外の様々な研究活動を広く横断しつつ深く提示
する研究を踏まえ、国際的にも広く展開できる基礎の構築につなげ、これをもっ
て国内でのプレゼンス向上にも寄与できる大会としたい。
3.テーマ:人文学のためのデータインフラストラクチャー構築に向けて
4.日程:2023年12月9日(土)~12月10日(日)
5.会場:オンライン開催 (拠点)一般財団法人人文情報学研究所
6.主催:情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会(IPSJ SIG-CH)
7.予想参加人数:150名
8.実行委員会
委員長:下田正弘(武蔵野大学)
委員:小川潤(人文学オープンデータ共同利用センター/東京大学)、永崎研宣
(一般財団法人人文情報学研究所)、橋本雄太(国立歴史民俗博物館)
9.プログラム委員会
委員長:土山玄(お茶の水女子大学)
委員:大向一輝(東京大学)、亀田尭宙(国立歴史民俗博物館)、耒代誠仁(桜
美林大学)、北本朝展(国立情報学研究所)、小風尚樹(千葉大学)、鹿内菜穂
(亜細亜大学)、堤智昭(筑波大学)、吉賀夏子(大阪大学)、李媛(関西大学)
10.主な開催内容
口頭発表、インタラクティブセッション、招待講演、企画セッション(予定)
参考:研究会ホームページ: http://www.jinmoncom.jp/
シンポジウムホームページ: http://jinmoncom.jp/sympo2023/
※日本アーカイブズ学会会員の参加費は情報処理学会会員と同額になります。
出典:日本アーカイブズ学会からのお知らせ(2023年10月13日号)
(小林)